Fallout NewVegas ; Old School Ghoul
ラウルの方を振り返ると、悲しそうな悩ましそうな表情をして立っている。
『どうしたの?』
「うん・・・。あのな。」
なんとも歯切れが悪い。
暫く待っていると、レンジャー・アンディみたいな奴の事をどう思う?と聞いてきた。
その真意がわからなくて、Luciaはラウルを見つめたまま答えずにいた。
Luciaの表情を見て、意図が伝わっていないと感じたラウルは溜息をついた。
「・・・つまり、年取って怪我をして・・・今まで得てきた経験を生かすことができなくなって、諦めざるを得ない奴の事さ。」
『怪我をしていたとしても、それまでに得た経験は代えがたい物でしょう?』
「そうか・・・ボス。あんたはそう思ってくれるのか。そうだな、あんたが正しいのかもしれない。」
『ラウル・・・?レンジャー・アンディーのことだけを話してるんじゃないわね・・・?』
ラウルはバツが悪そうに頭を掻いた。
「ちょっとだけ・・・昔話を聞いてくれるか?」
メキシコ郊外の農場で生まれたラウルは若い頃はなかなかやんちゃだったらしく、人殺しはしないものの警察の世話になったりしていたようだ。
核が落とされるとメキシコシティから難民たちがどんどん押し寄せてきた。
助けられるものは助けようとしたが・・・一般市民であるラウルたち一家には限界がある。
そこで受け入れを断り出すと、難民たちは暴徒化し始めたので父親と共に銃で追い払ったりしたという。
深く溜息をついたラウルをLuciaは見つめたままだ。
言葉を挟むことはできなかった。
「・・・追い払われたことを恨んだ難民たちが、夜に戻ってきてな。」
『うん。』
「家のドアなんかを塞いで逃げ道を無くし、それから火を放ったんだ。」
ラウルは妹のラファエラを連れて何とか脱出することができたが、他の家族たちはダメだった。
「逃げる俺たちを追いかけてくる奴らもいたけど、俺の銃の腕はボスも知っての通り良くってね。」
そう言って、少しだけにやりと笑った。
「俺の家族を殺した奴らに復讐したいとも思ったが・・・妹のラファエラを養っていくことに人生を費やすことにしたんだ。」
『ラウル・・・』
「あー、すまんすまん。ちょっと昔の事を思い出して、聞いて欲しくなっただけなんだ。」
Luciaの頭をぽんと叩き、レンジャー・ステーション・チャーリーに先に行くか?Jacob’s Townに戻るか?とラウルは聞いてきた。
「うーん、どうしようかな・・・。レンジャー・ステーション・チャーリーの様子を見て、Jacob’s Townに戻ってからアンディに報告しようか。」
レックスが、ワン!と一声吠えた。