Jacob’s Townに戻る前に、ノバックの南にあるレンジャーステーション・チャーリーに立ち寄るとしよう。
『レックス、少しだけ遠回りになるけど・・・』
わんわん!
「気にしてないそうだ、ボス」
皆出払っているのか、レンジャーステーション・チャーリーに着いた時人影はなかった。
『あれ・・・?誰もいないね。』
「見張りにでも出てるのかもな。建物の中に、誰かいるんじゃないか?」
『通信将校のスターリングさんがいると思う。』
建物の中に入ると、目に飛び込んできたのは壁の血飛沫と床に倒れている死体。
一歩踏み出そうとするLuciaをラウルが制止する。
無言でラウルが指し示す先には、死体に隠れるように置かれた地雷がある。
「このやり口は・・・リージョンだな。」
レンジャー・アンディも保護しようとした子供からグレネードを渡されて負傷したといっていた。
こうやって人を欺くように地雷や罠をかけるのが、リージョンのやり方だとラウルは言う。
地雷を解除し、床に倒れた遺体の目をそっと閉じてやる。
奥の部屋にも遺体が転がされていた。
机の下と箱の上に音声ログが残されていた。手に取り聞いてみる。
1つ目は、襲撃される直前に交わされていたであろうレンジャーの声。
レイダーを追い払え。使者を出すなと指示をしていると、突然音声が切れた。
2つ目は・・・リージョンからNCRへのメッセージだ。
深く溜息をつきながら、レンジャーステーション・チャーリーを後にした。
重い足取りでJacob’s Townに戻る。
まずは、レックスを元気にしなきゃね。
ドクター・ヘンリーに新しい脳を見つけてきたことを伝える。
「よし、じゃあ早速手術だ。」
『レックス・・・頑張ってね。』
わんわん!
クエスト:Nothin’ But A Hound Dog完了
ギブソンばあさんの犬の脳を移植。攻撃ダメージの増加。
※リージョンの犬やフィーンドの犬の脳だと、また効果が違います。
最初に出会った時は、ちょっと足元が覚束ない感じだったけど移植したら元気になったことが感じられた。
『気分はどう?』
わん!と吠えてから、嬉しそうに尻尾を振るレックス。
Luciaがレックスの頭を撫でていると、ドクター・ヘンリーが近づいてきた。
そうだ、お礼を言わないとね。
『ドクター・ヘンリー、レックスを治してくれてありがとう。』
「私は脳の付け替えをしただけだ。・・・そうだ、あんた。ちょっと頼みたいことがあるんだ。」
ラウルが一歩踏み出した。
「おい、ドクター。何をさせる気だ?」
「私は・・・ナイトキンの治療について研究していてな。外にいるリリーばあさんと話はしたか?」
『リリーばあさん?ああ、ビッグホーンのお世話してたおばあちゃん?』
「そう、彼女たちナイトキンは・・・ステルスボーイ中毒に陥ってて、精神分裂などを引き起こしているんだ。」
確かにリリーは見えない誰かと話をしているようだった。あれがステルスボーイの影響なの?
「治療って?薬があるのか?」
ドクターヘンリーはナイトストーカーの変異調べるために協力して欲しいと言う。
手伝ってあげたいのは山々なのだが・・・。今はレンジャー・アンディーに結果の報告をしなきゃな。
『今すぐに手伝うことはできないけど、用事を終わらせたらまた来るね。』
そう言い残してノバックへと向かう。
レンジャー・アンディーに音声ログを2つ手渡す。
「これは・・・?」
レンジャーステーション・チャーリーは全滅していたこと、音声ログの内容を伝えるとレンジャー・アンディーは暫くの間絶句していた。
「・・・すまなかったな。君には嫌な役回りを押し付けてしまった。」
『ううん・・・。悪い知らせしか持ってこれなくて、ごめんね。』
「どこにでも誰にでも起きうることだということだな。旅を続けるなら、君たちも気を付けるんだぞ。」
別れを告げてレンジャー・アンディーの部屋を出た。
「さて、ボスこれからどうする?」
『まずは、レックスが元気になったことをKingさんに教えなきゃね。』
その前に・・・と少し恥ずかしそうにラウルの服の裾を掴んでぼそぼそと何やらLuciaが呟いた。
え?とラウルが聞き返す。
『キ、キャンプ・マッカランに寄りたい・・・』