ポラトル少佐の元へ戻ると礼もそこそこに、次はDr.リチャードが手伝いの手を求めていると指示を出してきた。
テントを出る時、ブーンが何か呟いた。
『え?』
「・・・お前に、次から次へと仕事を頼まなければならないほど、人手が足りていないということか。」
『リージョンに襲撃されたばかりみたいだし。仕方がないよ。』
「・・・すまんな。」
ブーンに謝られるとは思っていなかったLuciaはびっくりして立ち止まる。
何もなかったかのように先へ歩いていくブーンの背中を慌てて追いかけた。
Dr.リチャードは一仕事終えた後なのか、血の付いたTシャツを着たままタバコを吸って寛いでいた。
Luciaとブーンがテントの中に入ってくるのを見止めると、「薬か?」と聞いてきた。
ポラトル少佐に手助けするように言われて来たことを伝えると、Dr.リチャードは顎に手をやり考える。
「2つほど手を貸して欲しい案件がある。」
『どんなこと?』
「まず第一に、リージョンの襲撃で沢山の兵士が負傷した。私一人では賄いきれないんだ。」
「・・・あと1つはなんだ。」
「こんな状況なのに・・・医療品、特にハイドラを盗む野郎がいるんだよ。」
医療品が不足していれば、助かる命も助からなくなってしまう。
窃盗犯を見つけ出すのが先決のようだ。
深夜2時ころに見張りが交代するらしく、そのタイミングを見計らって盗みに入っているようだとDr.リチャード。
同じ人物だとしたら、中毒者だろうなとぼやく。
Dr.リチャードに、周辺に聞き込みしてくると伝えてテントを後にする。
クエスト:Medicine Mystery
とりあえず、その辺にいる兵士に聞き取りをしてみよう。
ヒントになるような情報をなかなか得ることができず、LuciaがしょんぼりしているとED-Eが慰める様に頭上をくるくると回る。
あと声をかけていなかったのは・・・あの人か。小屋の前で見張りをしている兵士に声をかけてみる。
『こんにちは。Dr.リチャードの診察室から医療品が行方不明になっているようなんだけど・・・何か知ってる?』
急に声をかけられた兵士はLuciaとブーンを直視できず視線が泳ぎ、狼狽えている様に見える。
「え?え?Dr.リチャードのとこで、クスリ?いや、医療品なくなった?いや、いや、知らない。」
ブーンが眉根を寄せて兵士をじっと見つめると、兵士は余計に狼狽える。
スキルチェック:Medicine 50
Luciaが兵士の顔色の悪さや瞳孔が開いていることを指摘すると、あっさりと自分の罪を認めた。
「ちくしょう!お前はこの辺の有様を知っているか!?毎日毎日リージョンどもが襲撃してきやがる!!少しだけ逃げたかったんだ。それがそんなに悪いことだと言うのか!?」
『この場所の状況は想像がつくわ。でも、本当にその薬が必要な負傷者はどうなるの?』
Luciaに言われ、二の句が継げない様子の兵士に向かって、ブーンが自首するように話しかける。
「・・・戦場での辛さは、俺もよくわかる。だが犯した罪は償うべきだろう。」
「わかった・・・わかったよ・・・。Dr.リチャードのところに後で行くよ。必ずな」
兵士は肩を落とし、その場を離れて行った。
「・・・俺に、あんなことを言う資格があったんだろうか。」
Dr.リチャードのテントへ戻る途中、ブーンの独り言が聞こえてきた。
『どうしたの、ブーンさん?』
ブーンは苦し気な表情でLuciaを見つめる。
「・・・いや。」
Dr.リチャードの元へ戻り、医療品を盗んでいた犯人を見つけたことを伝える。
悪用しようとしていた訳ではないので、あまり厳罰に処さないで欲しいとLuciaは言う。
中毒を治すことを先決にしようとDr.リチャード。
クエスト:Medicine Mystery クリア
さて、お次は・・・重症患者をどうにかしないと。
本で読んだ知識しかないけど・・・頑張ってみる!
ベッドで横になっている兵士に近づき、様子を確認する。皆、苦しそうだ。
ブーンが勇気づける様に、頷いてくれた。
どうか皆を助けることができますように。
スキルチェック:Medicine:35※医療用品を使っての治療も可能
スキルチェック:Medicine 50
スキルチェック:Medicine 75 ※75のスキルはなかったので、医療用品使いました
なんとか皆を治療することができた。
大きな溜息をつき、椅子に座り込むLuciaの肩をブーンが優しく叩く。
「君は・・・本当によくやってくれた。」
Dr.リチャードにも褒められ、嬉しくて照れ笑いしてしまう。
改めて礼を言うDr.リチャードに別れを告げて、ポラトル少佐の元へと戻ることにしよう。