ベロニカとエルダー・マクナマラは互いに睨みあったまま、しばらく黙り込んでいた。
最初の口火を切ったのはベロニカだった。
「このままじゃ、私たちに未来はないわ。」
「そんな確証はないだろう。我々が外に出れば問題が解決するという確証もない。」
ベロニカが、やりきれないといった風に頭を振った。
「どうしてそんなことが言えるの?」
立ちすくむベロニカに向かって、話はそれだけか?とエルダー・マクナマラが冷たく言い放つ。
そしてLuciaに視線を移すを、上から下まで吟味するように眺めるのだった。
「君が・・・ベロニカが連れてきた部外者だね。」
『ええと、Luciaです。』
「ふむ。」
再び、Luciaを眺める。
「君は何のためにここにきたんだね?」
※2つのクエストが同時進行していてわかりにくいのですが、この会話は「Still in the Dark」のものだったりする
『ベロニカが、あなたに会いたいと言うから』
「ほう?お友達に連れられてやってきたというわけか。」
『そうね、ベロニカの仲間がどんな人たちなのか見たかったわ。』
「そうか。では、ベロニカの仲間を手助けするつもりはないか?」
エルダー・マクナマラから、急にそんな話が飛び出してきた。
部外者に手助けを求めていることにベロニカも驚いた様子だ。
Luciaは頷き、エルダー・マクナマラに話を続けるよう促す。
調査・回収のために地上へ派遣したパトロール隊のうち3隊が戻ってきていない。
その3隊に何が起きたのか探し出して来て欲しいとエルダー・マクナマラは言う。
『どこにパトロールに行ったの?どんな人たち?』
「レプコン本社、ネリス空軍基地、ブラックマウンテンへ派遣した。」
レプコン本社・・・?
あ、もしかして。
Luciaは鞄をごそごそと探し出した。ED-Eの件でレプコン本社に行った時、B.O.S.パラディンの死体があったことを思い出したのだ。
『これ・・・。レプコン本社で見つけたの。』
エルダー・マクナマラはホロテープを受け取り、深々と溜息をついた。
他の2隊は生存しているかもしれない。見つけてきてくれるか?と重ねて聞いてくる。
ベロニカと顔を見合わせ、頷くLucia。
『わかった。引き受けるわ。』
エルダー・マクナマラとの会見を終え、少し離れた場所でベロニカと話をしようとしていたところ・・・。
急に声をかけてきた人物いた。
誰?
Luciaが訝し気な顔をしているので、ベロニカがパラディン部隊長のハーディンよ、と教えてくれた。
ハーディンは、B.O.S.が危機的状況にあり、その原因の中心にいるのはエルダー・マクナマラだと言うのだ。
Luciaにエルダー・マクナマラをその座から降ろす手伝いをして欲しいと持ち掛けてきた。
『え?』
Luciaの声音に非難の色が滲む。
「何故君はエルダー・マクナマラを信頼するのだ?両方の声に耳を傾けるのが賢いやり方だろう。」
『言葉を返すようだけど、あなたが信頼するに足るという証拠は?その証拠はどこにあるというの?』
ハーディンはLuciaが自分に与しないと踏んで、馬鹿にしたように鼻を鳴らし立ち去って行った。
『ここぞとばかりに部外者を利用しようとする魂胆が透けて見えて嫌。』
「Lucia・・・ごめんね。」
ベロニカが申し訳なさそうにしている。
さてと。とんだ邪魔が入ってしまったが、ベロニカと話をしなければ。
どうやってエルダー・マクナマラを説得するか。
バンカーの中に籠って技術を集めるだけでは生き延びることができないということを証明しなければ。
「エルダー・マクナマラの関心を引くものはテクノロジーだけね。」
『なにか・・・新しいテクノロジーがあればいいのかな?』
「・・・エルダー・エリヤが見つけたものなら・・・もしかして。」
そう言うとベロニカはポケットから紙切れを取り出した。
エリヤが残したメッセージにアクセスするためのパスワード。
バンカーの近くにある通信用ターミナルに、そのメッセージが残されているらしい。
「私たちは古い技術を集めてため込んで穴に籠って・・・一体なんのために?」
『そういえば、なんで集めてるんだっけ?』
「・・・古いテクノロジーが失われないために。他の人の手に渡らないように。」
『うん。』
ベロニカは悔しそうに唇を噛む。
「でも、それは上手くいっていないのよ。NCRやリージョンの人数には敵わない。」
私たちはアポカリプスの使徒のように、人々に役立つようなことをしなければならないのよ。
ベロニカの言うエルダー・エリヤの得た情報を確認して、マクナマラに依頼された仕事をこなすことにしよう。
バンカーの出入り口へ向かう2人にパワースーツ姿のパラディン達が近づいてきた。
「待て。」
「お前たち二人はエルダーを騙している。私たちにはよくわかる。」
『え?騙してる???』
「ベロニカはいつもB.O.S.の理念を曲解している。彼女がエルダーの考えを腐敗させることは我々が許さない。」
それだけ言うと、パラディン達は出口を指さした。
「嫌な思いさせてごめんね、Lucia。」
『私より、ベロニカのことをあんな風に言うのが許せない。』
ベロニカが寂しそうに笑う。
「大好きな人たちだからって、嫌な連中じゃないとは限らないのよ。」
※2つのクエストが入り混じって、わかりにくい。
「I Could Make You Care」はベロニカがエルダー・マクナマラを説得するためのテクノロジーを集める話。
「Still in the Dark」はマクナマラからB.O.S.の手助けを頼まれる話。
行く場所なんかが被っているので、一度にまとめて進めています。