Fallout NewVegas ; I Could Make You Care(4)

Fallout NewVegas ; I Could Make You Care(4)

エルダー・マクナマラのいる部屋の扉の前に立つと、ベロニカはより一層緊張した面持ちになった。

『大丈夫、ベロニカ?』
「あはは・・・やっぱり緊張するわね。この場所に籠っていたほうがB.O.S.のためなのかしら?」
『ベロニカ。見てきたこと、感じたことをエルダーに伝えよう。」

ベロニカが大きく頷いたのを見届け、重い扉を押し開けた。

エルダー・マクナマラが顔を上げて2人を見止めた。

「それで?どうだったんだ?」
『ネリス空軍基地のパトロール隊はダメだったわ。』
「そうか・・・。で、私を睨みつけているベロニカ。なにかあるのかね。」

ベロニカは大きく息を吸いこむと、パワーアーマーを無効化するパルスガンを見つけたこと。
これ1つでB.O.Sを壊滅することができるかもしれないことを、エルダー・マクナマラに向かって話し出す。

「もう軍事技術にだけ目を向けていればいい時代は終わったのよ。私たちは新しい人々を受け入れなきゃ。」
「・・・そのパルスガンは、君が見つけたものだけかもしれない。」
「問題はそこじゃないことぐらい、わかってるでしょう?テクノロジーだけでは勝利はもたらされないのよ!!」

どこまでも話し合いは平行線のまま。
ベロニカが、B.O.S.には数が必要で、新しい仲間を受け入れるべきだと訴える。
しかしエルダー・マクナマラは、我々は外部の人間を助けることもしないし受け入れることもないとけんもほろろだ。



「どうして。」
ベロニカが悲しそうに呟く。

「どうして、聞いてくれないのかしら。」
『もっと強い証拠があったら良かったのかな・・・。』
「違うわね。意見を受け入れる余地はなさそう。」

深々と溜息をつくと、ベロニカはB.O.S.を続けて行く自信がなくなったとLuciaに向かって話す。
アポカリプスの使徒と一緒に働くことができれば、今までの知識を生かすことができるかもしれない。

出て考えようかとバンカーの外へと足を踏み出すと、パワーアーマー姿のパラディン4人が待ち構えていた。

パラディン達はエルダー・マクナマラとベロニカが話していたことは受け入れることができないと詰問してきた。

パラディン達の言い方に腹が立ったが、ここから去ろうとしているベロニカのために事を荒立てるのは止めようと考え、Luciaは静かに立ち去るつもりだと答える。

裏切ったり戻って来ようとしたら2人とも消し去ってやるからなというパラディン達の声を背に受けながら、Hidden Valleyを後にした。



『力になれなくて・・・ごめんね。』
「ちがうよ、Lucia。一緒にパルスガン探してくれたじゃない。ありがとう。あとね・・・」
『うん?』
「あのパラディンたちがB.O.S.の全てじゃないの。良い人たちだっているのよ。」
『わかった。ねぇ、まだ一緒に旅してくれる?』
「勿論よ!あ、アポカリプスの使徒の砦に行って、仲間になりたいって話をしたいな。」

以前ベロニカがいた第188交易所の近くに、アポカリプスの使徒たちが活動している前哨基地があったというのだ。
ブラックマウンテンに寄ってパトロール隊を探し、それからアポカリプスの使徒の前哨基地に行くことにした。

期待はしていなかったが、やはりパトロール隊は全滅していた。
以前いたスーパーミュータントたちにやられたのだろう。


※クエスト:Still In The Dark

パトロール隊からホロテープを取り上げ、鞄の中へとしまい込む。
放射能がひどい。さっさと山を下りるとしよう。

「やっぱり・・・ダメなのよ。」
ベロニカがLuciaに聞こえないように小さな声で呟いた。

第188交易所から少し北へ行った先に、アポカリプスの使徒の前哨基地はあった。
『へぇ、こんなところに基地なんか作ってたんだ。』
「前から気になっててね。私のこと受け入れてもらえるかしら・・・。」

中を覗き込むと、白衣姿の人たちが忙しそうに働いている。
2人に気づいたDr.Alvarezが声をかけてくれた。

Luciaは、アポカリプスの使徒とは少しは面識があることを説明し、ベロニカが一緒に働きたいと考えていることを伝える。
B.O.S.出身ということもあり、珍しそうにベロニカを眺める。

「B.O.S.出身ですか。珍しいわね。でも歓迎よ。」
「わぁ、ありがとう!」
『よかったね、ベロニカ。』
「我々アポカリプスの使徒も貴方たちの技術力から学べることが多いと思うの。」
「そんな風に言ってくれて・・・嬉しい。ありがとう。」

今までの緊張から解放されたのか、ベロニカは嬉しそうに微笑む。
Dr.schillerが今日いないから、明日また来て欲しいとDr.Alvarezが言うので、改めて来ることを約束し前哨基地を後にした。



翌朝。
改めてアポカリプスの使徒の前哨基地へと向かうLuciaとベロニカ。

前哨基地の手前まで来た時に、ふいにベロニカが足を止めた。
『どうしたの?』
「・・・様子が・・・おかしい気がするの。」
『え?』

慌てて前哨基地の中へと飛び込むと、アポカリプスの使徒たちの死体が目に入ってきた。

なにがあったの?
フィーンドやギャングたちに襲われた???

生きている人はいないか基地の中を探していると、がたりと物音が聞こえてきた。
・・・B.O.S.パラディンではないか。

『これは・・・どういうことなの。』

パラディン達は、ベロニカが外界と繋がりを持とうとしたこと、B.O.S.の秘密を洩らそうとしたことは反逆罪だと断定する。

よって、死ぬべきであると。
しかもこれはエルダーの考えではないらしい。パラディン達の・・・独断。

『それなら私たちだけを狙えばいいじゃないの!ここの人たちに何の罪があるというのよ!!』
「我々の秘密を知ってしまった以上、殺すしかない。」
『この・・・石頭!!!!!』

激しい撃ち合いが始まる。
パワーアーマー姿でエネルギー武器を持つパラディン達は強敵だったが、ED-Eと協力してなんとか片付けた。
ふと、目をやるとベロニカが呆然とした表情で立ち尽くしていた。

「私が・・・ここに来たから・・・。」
『ベロニカ、悪いのは貴方じゃない。無関係の人々を殺したパラディン達よ。』
「エルダーは、こんなことをするほど、私が憎いの?私・・・」
Luciaがベロニカを抱きしめる。
エルダーの意向じゃなくて、パラディン達が独断で行ったことだと教える。


クエスト:I Could Make You Care

ベロニカはLuciaやLucky38にいる仲間たちにも被害が呼ぶのではないかと心配している。
『大丈夫、迎え撃つから。ただ、手加減はできないよ?』
「ふふ。手加減なんてしなくていいわ。あの・・・分からず屋たちに手加減なんて。」

ベロニカがLucky38で少し休みたいと言うので、戻ることにした。
・・・アルケイドに相談してみようか。

Lucia、とベロニカが声をかけてきた。
「チャンスをくれて、ありがとう。」


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