疲れ切った様子の女性に声をかける。
「なにか御用?」
「ここにニック・バレンタインがいると聞いてきたんだが」
「・・・重要な話なのかしら?」
話を聞くと、ニック・バレンタインはある事件を追っていたようだ。
その途中で行方が分からなくなってしまったと・・・。
ニック・バレンタインを探しに行くことにしよう。
その前にパイパーのところに戻って約束していたインタビューとやらを受けようか。
ニックの件も話をしてみよう。
パブリック・オカレンシズ。
ここか。
ドアを開けるとパイパーがソファに座って寛いでいた。
「ああ、来てくれたんだね」
「約束したからな」
「じゃあ、質問を始めるよブルー。」
「ブルー?俺のことか?」
「そ。その腕に着けてるPip-Boy。それVault居住者の証のようなもの。Vault居住者はあの青い服着てるでしょ?だからブルーよ」
「なかなか独特のセンスの持ち主だな、君は」
「それでVaultはどんなとこだった?」
「そうだな・・・。洗練された場所だった・・・と思う。なんせ冷凍睡眠させられて目覚めたのがついこの間だから」
「これは・・・驚いたな」
「どうした?パイパー?」
「私は今、200年以上も前から生きている人間と話をしているんだな」
「コズワースが言うには、200年とちょっとらしいぞ」
「目が覚めて、こんな世の中になってたけど・・・どんな風に感じた?」
「どうやって比べればいい?」
「・・・そうだな。すまない。別な話にしようか」
「息子さんの誘拐にインスティチュートが絡んでると思うかい?」
「君たちはよくインスティチュートという言葉を使うけど、インスティチュートってなんなんだ?」
「・・・人を攫って、人造人間に置き換えるんだ。」
「人造人間?なんのために?」
「さてね・・・。マクドナウは人造人間なんていないって言い張るけど。」
「さぁ、最後の質問だ。ダイヤモンドシティの人々になにか伝えたいことはある?」
「そうだな・・・」
「ありがとう、ブルー」
「こんな感じで良かったのか?」
「勿論!外部からの視点が欲しいと思っていたんだ。ダイヤモンドシティの皆も今までにない価値観に触れることによって、改めて何かを感じてくれるかもしれない。」
インタビューのお礼といっては何だけど・・・と一言呟いて、パイパーは旅の同行者になることを申し出てくれた。
足元のドッグミートを見る。
どうする、ドッグミート?サンクチュアリでのんびりするか?プレストンにお願いしてみようか?
わん!
そうか、じゃあ新しい犬小屋を作ってあげよう。
パイパーにドッグミートを預けて戻ってくると伝えて、パブリック・オカレンシズを出た。
新聞を手にしたナットに呼び止められた。
「ミスター!パイパーとのインタビューとっても良かったよ。新聞を一部あげるね」
「自分の話した言葉が載っている新聞を読む日がくるとは思わなかったよ」