Fallout4~Dangerous Minds(前編)

グッドネイバーのメモリーデンにやってきた。

「さて、Dr.アマリはいるかな」
「ちょっと待ってくれ。まずはイルマに挨拶しなくてはな」
「イルマ?」
「彼女は・・・そうだな、ここの女主人。過去の記憶を追体験できる場所だ」
「夢を見るってことか?」
「・・・まぁ、行けばわかる」

イルマに挨拶をして、Dr.アマリがいる地下へと急ぐ。

「ドクター!」
「あら、Mr.バレンタイン。血相変えて、どうしたの?」
「ちょっと面倒なことをお願いしたくてね」

ニックが色々と説明してくれる。
俺も、藁をもすがる気持ちでDr.アマリにケロッグの記憶を辿りたいと訴える。

「助けて欲しいんだ、ドクター。ケロッグという男の記憶を・・・どうしても辿らなければならないんだ」
「あらあら。で、そのケロッグとやらはどこにいるのかしら?」

ニックと俺は顔を見合わせる。

「そいつは・・・もう死んでこの世にはいない。」
「Mr.バレンタイン、言ってる意味がわからないわ?死んだ男の記憶をどうやって辿るっていうの?」
当然の反応だろう。
死んだ男の記憶を探りたいなんて、今まで言い出した奴はいないだろうな。

そこで俺はケロッグから入手したサイバネティック・ブレイン・オーグメンターをDr.アマリに手渡した。

「これは何?脳じゃない!これは・・・これは海馬だわ!」
「ケロッグから、これが出てきたんだ」
Dr.アマリは色々な方面からケロッグの脳(サイバネティック・ブレイン・オーグメンター)を眺めている。

ニックが助け舟を出してくれた。
「この死んだ脳にはインスティチュートの知識が詰まっているんだ」
「インスティチュート!どうりで!」

「でも・・・」
Dr.アマリの表情が曇る。

「どうした、ドクター?」
「この海馬があっても、このままでは使えないわ。何か・・・依り代となるものが必要ね」
「・・・じゃあ、俺を使えばいい」
「ニック!?」
「俺はプロトタイプとはいえ、インスティチュートの技術で作られた人造人間だ。俺に移植するのが最適だろう」
「善は急げね。さ、Mr.バレンタイン。こっちに座って」
「感謝するよ、ニック」
「礼は全てが終わってからだ」

Dr.アマリが指示した椅子に座り大人しく施術を受けるニック。
大丈夫なんだろうか・・・。

「ドクター。どうもおかしいぞ。チカチカして・・・動かなくなった。いったいどういうことなんだ」
「・・・。移植された脳にロックがかかっているわ。」
「ニックは・・・大丈夫か?」
「Mr.バレンタインだけでは、耐えきれないわね。記憶の暗号化が一つの脳には強すぎる。でも、二つの心なら・・・」
「わかった。俺は何をすればいい」
「メモリーラウンジに座ってくれるかしら。準備をするわ」

近くに会ったメモリーラウンジと呼ばれる椅子に座り込んだ。

「さぁ、始めるわよ」