用心しながら先に進む。
レイルロードエージェントの死体、破壊された人造人間たち。
死闘が繰り広げられたことは間違いない。
人造人間を倒しながら先へと急ぐと、金網越しに大広間のような場所が見えてきた。
「ここは・・・公式には存在しなかったことになっている場所だ。スイッチボードと呼ばれている」
中にいた人造人間を倒して周りを見渡すと、最後まで抵抗したのであろうエージェントたちの死体が。
あらかた人造人間を片付けると、ディーコンが奥の隠し部屋の扉を開いた。
中は・・・焦げ臭いにおいに満ち溢れていた。
「いったいなにがあったんだ?」
「見てくれ」ディーコンが屈みこんで足元の死体の身元を確認した。
「トミー・ウィスパーズは脱出できなかったのか。彼は秘密を守りながら死んだ」
「秘密?」
「そうだ。ここには機密書類が山のようにあった。全部燃やしたんだろう。そして・・・窒息して死んだ。」
※ジョニーと言っていますが、多分トミーの間違いではないかと・・・
トミーの目を閉じてやり、手に握りしめていた銃を取り上げ見つめるディーコン。
「この銃は・・・。なんでも屋トムが修理したものだ。あなたに持っていてもらいたい。」
「俺が?」
「身を守ってくれるかもしれない。トミーは守れなかったけど」
銃を受け取ると気を取り直したようにディーコンが、あとはプロトタイプを見つけるだけだなと呟いた。
奥の棚にキャリントン・プロトタイプが置いてあるのを見つけた。
キャリントン・プロトタイプ
「よし、必要なものは回収した。ここを出よう」
エレベータの電源も落とされていたので、回復させて脱出。
「じゃあ、俺は先に戻るよ。オールド・ノース・チャーチで会おう。」
「わかった、ディーコン。」
俺をじっと見つめた後、ふっと息を吐いてディーコンは立ち去って行った。
オールド・ノース・チャーチに着くと、ディーコンがリーダーのデズデモーナに報告をしている場面に遭遇。
「新入りは俺の手当てをし、肩に担いで施設の出口までの道のりを切り開いた。そこら中に人造人間がいた。」
俺が入ってきたのを見つけると、デズデモーナが面白そうにディーコンと俺を眺めディーコンの話は本当か?と聞いてきた。
ディーコンに何か考えがあっての嘘かもしれない・・・そう思うと、ディーコンの嘘に合わせてあることないこと話を作り出した。
「わかったわかったわ。ストップ。」
デズデモーナが手で俺を制した。
「どっちにしろ、2人でスイッチボードを切り抜けてプロトタイプを持ち帰ったことには変わりはないわ。」
「レールロードへようこそ、エージェント」
「こちらこそ、一員になれて光栄だ」
さて、とデズデモーナがタバコを足で踏み消して言う。
「エージェントはそれぞれ呼び名を決める必要があるのよ。身元を隠す必要があるからね。」
“ブルズアイ” ”ウィスパー” ”チャーマー”が候補に挙がった。そうだな・・・”ブルズアイ”にしようか。
「あなたの戦闘能力はディーコンから聞いているわ。ブルズアイはお似合いね。」
呼び名も決まったので、本部に案内しようとデズデモーナが奥の扉を開いた。