
光を放つグールは地上のグールと違って言葉を解すようだ。
あーとか、うーとかだけじゃなく人語を話す。
まぁ・・・問答無用で襲ってくることに変わりはないのだが。
グールたちを倒した先に、見慣れた入り口があった。
Tycho「これがVaultか?」
Vesper「・・・なんか変だな。」
Ian「なぁ、入り口の扉がないんじゃないか?Vault15の時は中から壊されて転がってたよな。」
そうか、扉が見当たらないんだ。
ここはこんなに無防備なValutだったのか?
Vesper「とにかく、中に入ろう。」
エレベーターで下の階に降りる。案の定というか、光るグールしかいない。
ロッカーにあったRad-Xを頂いて、更に下に降りるとしよう。
奥にあるひどく荒らされた部屋では、男の遺体とそれを取り囲むグールの姿が。
男はスカベンジャーだろうか。漁りに来て、グールにやられてしまったようだ。
ぶーんと低い音がする。
どうやら制御室が近いらしい。Vault15はここが土砂で埋もれていたからな・・・。
Ian「Vesper!あれ、あれじゃねぇ?」
Vesper「・・・。制御コンピューターだな。動いてるのか?」
Tycho「どうだ?ウォーターチップはあるか?」
恐る恐る制御コンピューターをいじる。
ウォーターチップを取り出しても、上で直した取水ポンプが問題なく動いている音が響き渡っている。
震える手でウォーターチップをバックパックに入れると、思わずため息が出た。
Ian「やった!やったな!!」
Dodmeat「わんわんわん!」
DogmeatもIanにつられたのか、嬉しそうに吠えて俺の周りをぐるぐる回る。
Vesper「とうとう・・・手に入れた。」
Tychoが俺の肩を叩く。
Tycho「あとは、お前のVaultへ持ち帰るだけだな!」
Vaultを出て、地上に戻る。
そういえばと思って、入り口を見張っていたミュータントに再び声をかけてみた。
俺と話をしたことを覚えているのか、いないのか微妙な感じだ。どうにも血の巡りが悪いようだな。
Harry「ここ見張れとLou言った。だれもいれるなと。特にノーマルは。」
Vesper「(ノーマル?ノーマルってなんだ?)ノーマルじゃないよ。」
鈍そうな目で俺をじろじろと見つめる。
その目には混乱の色が浮かんでいた。
Harry「おまえ・・・グールじゃない。ノーマルでもない・・・。うー、じゃあなに?」
Vesper「・・・。新種のスーパーミュータントだ」
後ろでIanが我慢しきれずに噴き出した。Tychoが腕を掴んで外に連れ出す。
Harryはどうしていいのかわからない、といった表情をしている。
Vesper「じゃあな。」
Necropolisを出るまで、俺たちは無言で歩いた。
ラッドスコルピオンに絡まれたので、全滅させる。
ふう、と一息つき胸にあった疑問を2人に投げかけてみる。
Vesper「あのミュータント、気になることを言ってた。」
Tycho「なんだ?」
Vesper「ノーマルは、Louのところに連れて行くと。」
Ian「ノーマル??グールじゃない人間ってことか?」
キャラバン隊を襲っていたことを考えると・・・そういうことなのかもしれない。
Vesper「人間を攫って、あいつらはどうするつもりなんだ。」
Vault13の入り口に続く洞窟が見えてきた。
ミュータントの話は後にして、とにかくウォーターチップをジャコレン監督官に渡すとしよう。