Skyrim~星霜の書を読むために(Midir編)
セプティマスの洞窟を出たところで、珍しくMidirが舌打ちをした。
イライラしているのが見て取れる。
セラーナ:珍しいですわね、貴方がそんなにイライラしているの
Midir:くそっ。胸糞わりぃな
セラーナ:・・・ハラメアス・モラが言ってたことかしら?
顔を背け、Midirはセラーナの先を歩いていく。
ドーンガード砦に戻らねば。
ドーンガード砦に入ると、デキソンを探して部屋を歩く。あのじーさん、どこにいったんだよ。
暖炉の前に座り込んでいるデキソンを見つけた。
Midirの声に気づき振り向くその顔には目隠しがされている。
一体どういうことだ?
Midir:おい、じーさん。その目隠しどうしたんだよ?
デキソン:その声はMidir君だね。
セラーナ:怪我でもされましたの?
デキソン:いやぁ・・・すまない。私はもう星霜の書を読むことができなくなってしまった
Midir:どういうことだ?まさか目が
デキソン:用意もなしに星霜の書を読んだ代償というところだね
聖蚕の僧侶でさえも、十分な準備なしに星霜の書を読むと目が不自由になってしまうというのだ。
回復するには数か月はかかるだろう。・・・おそらくは。
唯一の頼みのデキソンが星霜の書を読むことができない。ならばどうする?
Midirとセラーナは無言で視線を交わす。
2人の沈黙に何かを感じ取ったのか、デキソンがゆっくりと手立てがない訳ではないと言う。
Midirの声がする方に顔を向け、君がどれだけ危険を冒す覚悟があるかだと呟いた。
Midir:んなの、今更じゃね。教えろよ、じーさん
セラーナ:受けるかどうかは、話を聞いてからになさい
デキソン:はっはっは。お嬢さんは慎重だね
デキソンが言うには、タムリエルのあちこちにある”先人の湿地”という場所で、聖蚕の儀式を行えばアーリエルの弓に関しての答えが見つかるはず。
パイン・フォレストにある湿地で、カンティクルの木から樹皮を剥がすと聖蚕が集まってくる。
集まってきた聖蚕の力を借りて、星霜の書を読む・・・という儀式だ。
見るとセラーナは微妙な顔をしている。
まぁ、考えていても仕方がない。先人の湿地とやらへ行ってみることにしよう。
パイン・フォレストにあるとデキソンは言っていたが・・・
地図を見ると、そこから南下したところに先人の湿地はあるようだ。
ファルクリースから先人の湿地を目指すことにしよう。
山賊を倒しつつ・・・
山道を越え、なんとか先人の湿地に辿り着いた。
中を進むが、特に他の洞窟と変わったところは無いように思われる。
セラーナ:・・・この場所が特別な場所なのですかしらね?
Midir:待てよ。まだ奥に道が続いてるって
セラーナ:無駄骨に終わるようでしたら、お友達のデキソンときっちり話をしなければなりませんわね
Midir:セラーナ。見ろ
急に目の前が開けると、そこには美しい花を咲かせた木々や滝、そして・・・蝶?
洞窟の中とは思えない光景が広がっていた。
デキソンが言っていた、カンティクルの木とやらはどれなんだ?
そういや樹皮を剥ぐのにナイフがいるとか言ってたな・・・。
階段を降りて行くと、沼地の真ん中に遺跡のようなものがあるのが見えた。
置いてあるナイフを手に入れた。これで樹皮を削るんだっけな。
お次はカンティクルの木の樹皮か。
ピンク色の花をつけた木の樹皮を優しく剥ぎ落とす。
Midir:で?これから、どうするんだ?
セラーナ:・・・
Midir:どうした?
セラーナ:気のせいでなければ、あなた発光しているようですわよ
自分の体を見ると、ほんのりと光っているようだ。
気づけば、近くにいた聖蚕がふわふわと吸い寄せられるようにMidirの周りを飛んでいる。
匂いを発しているのか、この光に依るのかはわからないが兎に角・・・聖蚕が引き寄せられているのは確かなようだ。
十二分に聖蚕を集めたところで、準備完了。
よし、いっちょ星霜の書を読んでやるとするか。
儀式を行う場所で、星霜の書を広げる。
目の前が真っ白になり、今まで味わったことのない量の情報が目の前に現れ、頭の中を飛び交う。
これは、なんだ?
地図?
アーリエルの弓?
どこだ、どこにあるんだ?
冷たい土の感触を覚えて、はっと我に返る。
セラーナが心配そうに傍らで見ている。
倒れたのか、俺?
セラーナ:大丈夫でして?
Midir:ん、あ・・・俺、気ぃ失ってたか?
セラーナ:そうですわね。目は・・・見えてますの?
Midir:そういや、そうだな。目は、大丈夫そうだ
ゆっくり立ち上がると、流れ込んできた星霜の書の感触をセラーナに話す。