Fallout4 On thin ice

Fallout4 On thin ice

「ボス!おい、ボス!!」

何も言わずニシャに背を向け、フィズトップ・マウンテンの扉を力任せに押し開ける俺をゲイジが追いかけてきた。
ゲイジの呼びかけも無視して、暫くの間無言で歩く。

「なんだよ、ボス。どうしたんだ?」
「・・・」
「ディキシーの物言いに腹でも立てたか?言わせておけばいい。」
そう言ってゲイジは俺の顔を窺う。

「・・・ディキシーなんて、どうでもいい。」
「ははは!そうこなきゃな、ボス。そうだ、マーケットに寄って行こうぜ。」
なにか掘り出し物があるかもしれないぜ、とゲイジが誘う。
マーケット?そんなものあったのか?

俺が怪訝そうな顔をしたことに気づき、ゲイジが笑う。
こっちだ、と顎で示し歩き出す。

粗末な作りではあるが、品物を置いた店が並んでいる。
なるほど、マーケットか。

好きに見ててくれとゲイジは言い残し、ぶらぶらと歩き出した。

よく見ると、店で物を売っているトレーダーは首に何かをつけている。あれは、なんだ?
近くで修理をしている男に声をかける。

チップと名乗る老人は、挨拶もそこそこにコルターが考えていた大計画とやらについて話出す。
どうやら今は活動していない発電所を再稼働させて、ヌカワールドに電力を取り戻すことを契約していたらしい。
まぁ、途中からコルターもやる気がなくなってたみたいだけどね、と付け加える。

なるほど、電力か。

チップは、ここに連れてこられて20年にもなると言う。
「おかしな話だと思うのは重々承知だが、ここが故郷のように思えているんだ。」



アーロンからは剥き出しの敵意を向けられる。
上が誰に変わろうと、首輪をつけられている限り奴隷と同じだと。

その首輪がなんであるのか、おおよその見当はついた。
恐らくトレーダーたちが逃げ出したりしないように、発信機か何かが仕込まれた首輪をつけているんだろう。

もしかすると・・・発信機なのではなく、爆弾なのかもしれない。

注意深く見て行くと、レイダーや連邦と行き来しているキャラバン以外は全員首輪をつけている。

「ああ、ボス。首輪が気になるのか?」
ふいにゲイジが声をかけてきた。
頷く俺に、昔売り上げを持ち逃げしようとした馬鹿なトレーダーがいたから、二度とそんなことを考えないようにと付けてやったんだと説明する。
「発信機か?」
ニヤリと俺の顔を見て笑う。
「ロシアンルーレットだ。」

いくつかは本物の爆弾が入っている。あとは・・・偽物。
目の前で逃げ出そうとしたトレーダーに首輪をつけ、マーケットから一定の距離を離れたら爆発するようにしてやったんだ。
あれを見せられりゃぁ、どんな馬鹿でも自分の置かれた立場がわかるだろう。

「・・・誰が考え出した。」
「ん?首輪か?俺が最初に案を出して、コルターが爆弾を仕掛けようと言い出した。あの頃はコルターもやる気があったな。」
「・・・そうか。」

ゲイジがら視線を外すと、俺をじっと見つめる人物がいることに気が付いた。
何か言いたげにこちらを見ている。

あら、ボス。と声をかけてきた。
ちらりとゲイジに視線を走らせ、またこちらを見る。

ゲイジに暫くマーケットを見て回るから、先にフィズトップ・グリルへ戻るようにと伝えると、つまらなさそうに返事をしてマーケットを出て行った。

「で?」

ここで医者として働いているというマッケンジーは辺りに気を配りながら、レイダーたちを潰して欲しいと切り出してきた。
思わず眉根を寄せたのを、拒否の仕草と受け取ったのか、慌てて言葉を重ねてくる。

「ここで彼らのしていること、知っているでしょう?」
「まぁな。」
「お願いよ。私たちを・・・自由にして欲しいの。」

思わずため息をつく。

マッケンジーは、レイダー達が連邦に進出するのを今かを待ちわびていると話す。
やはり最初から考えてはいたんだな。

俺はマッケンジーに向かって、無言で頷いた。


クエスト:Open Season 開始




※追記:Open Seasonは、マッケンジーと話すことでいつでも開始可能なクエスト。

ちなみにThe Grand Tourが終わった後、連邦を手に入れようの流れで「Hone Sweet Home」が開始。
ヌカワールド総支配人としてヒャッハー!レイダープレイをするなら、こちらを。
両立はできません。


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