Fallout4~Reunions(前編)
ドッグミートにケロッグの残していったタバコの匂いを嗅がせると、わん!と一声鳴いてやおら走り出した。
「さぁ、ドッグミートの後を追おう」
「わかったよ、ニック」
ドッグミートは時々こちらを振り返りながら、ケロッグの跡を追いかける。
ダイヤモンドシティを飛び出し一直線に走って行く。
どこへ連れて行ってくれるんだ?ドッグミート・・・
しばらく走り続けると、池のような場所でドッグミートが立ち止まった。
池の傍には椅子があり、誰かが一休みしたような形跡が伺える。
「ニック、これは・・・。サンフランシスコ・サンライツ。あいつのお気に入りだ」
「ドッグミートは優秀だな。やつはここで休憩を取ったんだ。長旅になるようだな」
わん!と吠えてドッグミートがまた走り出した。
線路沿いに走っていると、ヤオ・グアイやモングレル・ドッグに絡まれたりしたが2人と1匹で倒し先を急ぐ。
高速道路のアンダーパスに降りていくと、そこを根城にしていたであろうレイダーの死体が転がっていた。
ドッグミートが警戒しながら、血の匂いを嗅いでいく。
「どうだ?ドッグミート」
くぅーん。
首を一ひねりした後、何かを見つけたのか鳴いて俺たちを呼んだ。
「行こう」
「ああ」
「・・・」
「どうした、ニック?」
「あまりにも・・・あまりにも露骨な痕跡に見えて、奴が誘い出しているようにも思えるな」
「それならそれで、誘いに乗ってやるだけだ」
橋を渡り、フォレスト・グローブ・マーシュを抜ける。
ここではフェラル・グールが家の影、車の影からのそりと起き出してくる。
わんわん!
ドッグミートがまた何かを見つけたようだ。
辺りは機械の破片が散乱している。一体やつは何をしてやがるんだ。
「そしてまたサンフランシスコ・サンライツだな」
「俺の後を間違いなくついてきてるぞと言っているようだ」
「さて、ここから先はどこへ続くのか・・・」
気が付くとドッグミートはすでに走り出していた。
丘を駆け上がり、行き止まりにフェンス。
フェンスに何かがぶら下がっている。
「ここは・・・?」
「ふむ。どうやら古い軍の基地のようだな。やつはここに隠れているのか?」
わん!
俺を見上げドッグミートが一声吠えた。
「あと少しか?」
わんわん!
「よし、頼むぞドッグミート」
ドッグミートが一目散に駆け込んだのはヘーゲン砦。
「ここにいるのか・・・?」
「ドッグミートが砦の中に入った。俺たちも続こう。」
「ここが・・・最終目的地か・・・?」
「よくやったぞ、ドッグミート」
くぅーん
「ドッグミートは休ませてやろう。あとは俺たち二人で進むんだ」
「わかった。ドッグミート、一休みしたらサンクチュアリに帰るんだぞ」
わん!
よし、ニックと中へ入る入り口を探し出そう。