Fallout4~Synth Retention

Fallout4~Synth Retention

ニックがダイヤモンドシティのタカハシの店で一杯やろうと声をかけてくれた。
そういや・・・と思った途端、腹がなった。

「あんた、ちゃんと食べているか?そういや顔色があまり良くないぞ。」
「大丈夫。心配するなって。」


タカハシ:ナニニシマスカ?

「なあ、ニック。」
「うん?」
「この世界は・・・作り直しをしなければならないほど、酷いところだと思うか?」
「ん?どうした?」
ニックが不思議そうな顔をして俺を見つめる。
インスティチュートのリーダーは俺の息子だと伝えたら・・・どんな反応が返ってくるだろう。

「俺には過去の楽しい記憶がないからな。今このダイヤモンドシティが故郷だ。」
「うん。」
「それで、あんたは過去に戻りたいと考えているのか?」
ニックの言葉をかみしめる。俺は・・・俺はどうしたい?
「・・・そうだな。ノーラがいて、ショーンがいて、コズワースがいて。幸せなあの頃に帰りたいと思うこともある。でも・・・」
「でも?」
「今こうやって、ニックとヌードルを食べたりプレストンと居住者たちを助けたりするのも大切だ。過去は・・・過去だから。」
「そうか。」

腹が膨れると少し元気が出てきたような気がする。ニックと話をして、自分がどうしたいのかも見えてきた。よし、ショーンの元に戻ろう。

「ニック。俺、ちょっと行ってくるよ。」
「わかった。気を付けてな。ここには・・・あんたを待っている人間が沢山いる。」


「ショーン。」
「ああ、あなたか。」

ショーンは俺を見止めると不良人造人間を連れ戻す手伝いをして欲しいと頼んできた。
逃げ出した人造人間を回収するためにコーサーも手配済みだと言う。
「我々の作り出した人造人間は非常に優秀だが、適切な管理なしでは危険にも成り得るのだ。」
「管理?」
「そうだ。人造人間を可哀そうと言って脱走させ、挙句記憶を消してアイデンティティも切り替えている過激派集団がいる。」
ショーンはそう言い、俺をじっと見つめた。
レイルロードのことを言っているのか。

「あなたにはわかっているはずだ。重ねて言うが、人造人間たちは自由意志を持つべきではない。適切に管理されるべきなのだ。」
「・・・。」

脱走した人造人間を回収するためにリベルタリアへと向かう。

「君が・・・ショーンの言っていたコーサーか?」
「はい。識別番号X6-88です。」
「ガブリエルという人造人間の情報は?」

リベルタリアは船や廃棄物を繋げて足場にしている。非常に・・・戦いにくい。
レイダー達を倒しながら、ガブリエルが潜伏していると言う小屋を目指す。

最上階を目指し、階段を駆け上がる。

あと一つドアを開ければガブリエルにたどり着ける、というところまで来てX6-88が俺に声をかけてきた。

「少々お待ちください。大事なことをお伝えしなくてはなりません。」
「?なんだ?まさかお前がガブリエルとかそういうオチじゃないよな?」

俺の軽口は見事にスルーされ、人造人間の動きを止めるための”リコールコード”の話をし出した。

この”リコールコード”を言うと、人造人間はシャットダウンされて動かなくなるという。
「・・・なるほど。覚えておこう。」

ドアを開けるとガブリエルとその手下たちが待ち構えていた。
「これはこれは。」
下卑た笑いを浮かべ俺たち二人を見つめるガブリエル。

「格好から見てインスティチュートのようだが、真面目で勤勉なギャングから略奪品を盗むほど資金繰りに困ってるのか?」

X6-88が、早くリコールコードをと言うが・・・俺はガブリエルに人造人間だった過去の記憶があるかどうか確認してみたくなった。

レイルロードは脱出させた人造人間の記憶を書き換えて、連邦の外に逃がしていると言っていたはずだ。
それがどうしてこんなところで住民を殺して金目の物を奪うレイダーをやっている。

ガブリエルは自分には親兄弟の記憶、人生の記憶があると言う。
レイルロードが植え付けた記憶・・・か。

もっと話が聞きたいと思い一歩踏み出すと、ガブリエルの部下たちが「こんなやつら早く殺っちまおう!」といきり立ってきた。

すかさずX6-88がリコールコードを使う。
途端にガブリエルが動かなくなった。がくん、と頭を垂らし微動だにしない。

俺は部下のレイダー達を片付ける。

X6-88がガブリエルを連れてテレポートしたのを見届けて、ショーンのところへ戻るとしよう。

「戻った。」
「ああ、X6-88から話は聞いている。」

「これで不良人造人間の危うさがわかったろう。」
「・・・だが、どうして人造人間たちは脱走する?適切に管理されているなら、脱走何てしないだろうに。」
「・・・。あなたに自室を用意した。X8-66が案内する。」

振り返るとX8-66が控えていた。
「こちらです。」と言って、俺の部屋へと案内する。

ショーン。俺の質問に答えないのは、都合が悪いことだからか?
そんなもやもやした気持ちを抱えて、X8-66の後を追う。

「こちらになります。一休みなさったら、ファーザーが話がしたいそうです。」
「・・・そうか。」

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