
セバスチャン・ロートがいるライムロック窟は、かなり離れた場所にある。
一度ファルクリースに戻り、そこから目指すとしよう。
地図を見ると、途中に村があるようだ。
一休みできるといいわね、とリディアと話をしながらハエマールの不名誉を後にする。
グジュカールの記念碑を遠くに眺め・・・
盗賊に絡まれたり。
バルバスが、そっと草むらの中に身を隠した。
道の向かい側から、揃いのローブを着た二人連れがやってくるのが見える。
ilex:見たことない格好してるけど、この辺の人?
ステンダールの番人:我々はステンダールの番人だ
ilex:ステンダールの番人?
ステンダールの番人:デイドラと一緒になって浮かれていたら、追い詰めてやるぞ
リディア:(バルバスのことでしょうかね・・・)
ilex:貴方たちはなんなの?
ステンダールの番人:我々は吸血鬼やデイドラを狩るのが役目だ
ステンダールの番人の姿が見えなくなると、やれやれと言いながらバルバスが姿を現した。
デイドラ狩りしているそうですよとリディアが言うと、ふんと鼻を鳴らして駆け出して行った。
集落が見えてきた。
地図を確認すると、ロリクステッドという小さな村のようだ。
一休みする場所を探しながら歩いていく。
リディア:従士様、あそこに宿屋の看板が見えますよ
ilex:じゃあ、一休みしようか。お腹減った
バルバス:わんわん!
???:冒険者の方ですか?たっぷり冒険してきたんでしょうね、羨ましい。
振り向くと、青年がにこにこしながら一行を見つめていた。
聞けば、この村の宿屋の息子らしい。
休むなら父に声をかけるといいですよと教えてくれた。
青年の名はエリク。
村を出て、冒険者になったり戦争で祖国の為に戦いたいと考えているが、父親に反対されているとエリクは言う。
ilexとリディアは顔を見合わせる。
そうこうしているうちにエリクが、父親を説得してきてくれないかと頼みだしてきた。
冒険者である貴方の話なら、父親も耳を傾けてくれるかもしれないと。
放っておいたら防具も武器も無いような状態で、この青年は村を飛び出すかもしれない。
仕方がないわね、とilexは呟きエリクの父親と話をしてみることを請け負った。
リディアが心配そうに見つめている。
宿屋に入ると、エリクの父親であるムラルキが座って休むのように勧めてきた。
エールやパン、シチューなどを一通り頼むと、ilexはムラルキにエリクの件を話し出す。
ilex:あー、えーと。あなたの息子さんのことなんだけど
ムラルキ:エリクのこと?なにかあったのか!?
ilex:あ、いや。村を出たいと言っているんだけど、あなたが反対してるって
ムラルキ:あいつはまだほんの子供なんだ。親が子供の事を心配するのは当然だろう
ilex:うん、言いたいことはわかるよ。でも閉じ込めておいたら、無鉄砲に飛び出して行くかもしれない
ムラルキ:・・・確かにな。しかし、あいつに防具を買ってやる金は・・・ない。
ilexは鞄から幾ばくかのゴールドを取り出し、ムラルキに渡す。
これで防具でも買ってやってよ。知り合った青年が無駄死にするのは嫌だからねと呟く。
ilexからゴールドを受け取ると、ムラルキはホワイトランで防具を買うことにすると約束してくれた。
畑で作業をしていたエリクの元へ、ムラルキを説得したと報告しに行く。
飛び上がらんばかりに喜んだエリクは、ilexやリディアの手を取り礼を言う。
収穫したばかりのジャガイモや豆・キャベツを持って行くかと言ってくれたが、さすがに荷物になるので断った。
是非またロリクステッドに立ち寄ってください!と言うエリクと別れ、一行はライムロック窟を目指す。
山賊に絡まれたり、狼に追いかけられたりしながら何とかライムロック窟に辿り着いた。
ilex:と、遠かった・・・
リディア:斧だけ取り返してくることができればよいですね
ilex:話聞いてくれるかしらね
バルバス:わんわん!
ilex:ま、とりあえず中に入ってみましょ