Skyrim-ilex ドラゴンを呼ぶ

Skyrim-ilex ドラゴンを呼ぶ

デルフィンがilexを睨みつけている。
ilexも負けじと睨み返す。

暫くの間沈黙が続く。
リディアやマーキュリオ、エリクは固唾を飲んで見守っている。

パーサーナックスのことだけど、とデルフィンが口火を切った。

ilex:・・・
デルフィン:そろそろ彼も自分の罪を贖う番だわ
ilex:確かに彼はドラゴンだけど、手助けをしてくれた
デルフィン:手助けは必要だったけど、それはもう終わったこと。話が別よ
ilex:別って?
デルフィン:彼が行った残虐行為で命を落とした人々の仇をとる必要があるわ。彼は死ななければならない
ilex:で?
デルフィン:貴方が殺しなさい

彼を殺さない限り、ブレイズは貴方に手を貸さない。
そう言い残してデルフィンとエズバーンは出て行った。

黙ったまま、ilexもハイフロスガーの重たい扉を押し開ける。
ちらちらと雪が舞い落ちていた。

どうするの・・・?とエリクが恐る恐る声をかける。

どうするですって?と眦を決して、エリクをひたと見据える。

ilex:私はブレイズに操られている訳ではないし、ましてやパーサーナックスを殺したりしない
リディア:ええ、従士様
マーキュリオ:ま、お前がそれでいいなら
ilex:というか、皆無理して付き合うことないんだけど
エリク:最後まで一緒に戦うよ!
ilex:デルフィンの言うことも分からない訳ではないんだけどさ。過去の記憶に囚われてるものね

さて、バルグルーフ首長が待っているだろうから、さっさとホワイトランに戻ろう。



ホワイトランに戻ると、すぐさまドラゴンズリーチへと向かう。

いつも迎えてくれる謁見の間に首長たちの姿はなかった。
ilexたちの姿を見止めた衛兵が、皆2階にいると教えてくれた。

罠の設計図や地図を広げて、何やら話し込んでいる。
一行の足音を聞きつけたバルグルーフ首長は、振り返りもせずにilexに準備はできているぞ、と声をかけてきた。

罠を仕掛けて、ilexが呼ぶ。呼び寄せられたところを捕える。
単純な話だ。

・・・無事に、罠にかかれば、の話だが。

考えていても始まらない。
ilexは青空に向かって、叫んだ。

「Od(Snow)」「Ah(Hunter}」「Viing(Wing)」!!!

しばらく、何も聞こえず、何も姿を現す気配も感じられなかった。
もう一度呼ぶか、とそう思い息を吸い込んだ、その時。

あ、という衛兵の声。
ばさりと羽ばたく羽音。
ずしんと響く振動。

ドラゴンの咆哮を耳にした途端、脳天から尻尾へと走る痺れるような感覚。

オダハーヴィングが姿を現した。

思わず倒そうと剣や弓を構える衛兵たちを押し留めようとバルグルーフ首長が懸命に声をかける。
倒すんじゃない!引き込むんだ!
雷撃を放とうとしていたマーキュリオも、はっとした表情になる。

ひけ!ひくんだ!!
オダハーヴィングから目を離さないようにしながら、じりじりと後退する。

吐き出す炎を避けながら、罠にかかるように。
飛び立たないように衛兵たちがオダハーヴィングの後ろに回り込む。

ドラゴン同士の戦いだ。
鱗が逆立つ感触を感じながら、ilexはオダハーヴィングに向かってシャウトする。
「Fus(Force)」「Ro(Balance)」「Dah(Push)」!!!!
オダハーヴィングが逆上したように、バルコニーの中へ突進してきた。

今だ!罠を降ろせ!!!

金属がぶつかり合う音が響いた。
枷に捉えられた首を荒々しく振り、罠から逃れようと藻掻くオダハーヴィング。

わっと歓声が上がった。
捕まえたぞ!ドラゴンを、捕まえたぞ!!!

オダハーヴィングが一声吠えると、建物がびりびりと振動する。

オダハーヴィング:ヒンド、シーヴ、アルドゥイン。アルドゥインの居場所を知りたいのだな?
ilex:そう。教えてくれるかしら。それにしても、よく姿を現したわね。
オダハーヴィン:呼ばれたからな。お前のスゥームをこの目で確かめるために
ilex:で、どうだった?
オダハーヴィング:・・・アルドゥインのスゥームが最強なのか、疑いを持つものが現れるのも頷ける話だ
ilex:それで、アルドゥインはどこにいるの?

アルドゥインへと続く扉は、東にある高い山々に囲まれたスクルダフンという場所にあるらしい。
遠く遠くにある、高い山。
通常の方法では辿り着くことができない。

スクルダフンへたどり着くためには、翼が必要。
お前にはスゥームはあるが、翼はない。どうする、ドヴァーキンよ?

オダハーヴィングは、スクルダフンへ連れて行くことと引き換えに解放を求めてきた。
どうやってもilexの力では空を飛ぶことはできない。
ならば、迷っている暇などない。

すぐに罠を解くようにバルグルーフ首長へと声をかける。
一瞬呆気にとられた顔をしたが、大きな溜息を一つつくと、衛兵に声をかけた。

身動きが取れる様になるとオダハーヴィングは、建物を揺らしながら外へと向かって行く。

空を飛ばなければ行けない場所だ。
最悪戻って来れないかもしれない。

どうする?とリディアに視線を送ると、にっこりと笑って頷いた。
マーキュリオとエリクはドラゴンの背に乗れることに、興奮しているようだ。

ilex:よし、アルドゥインを倒しに行ってくるか


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