Fallout4 Sub libertate quietem

Fallout4 Sub libertate quietem

※「Sub libertate quietem」はFallout4内のテキスト等を元にした創作話です。二次創作ですね。ご注意ください。※



ニックにヌカワールドでの出来事を語り終えた俺は、肩の荷が下りたような安堵を感じた。
酒を呑んだこともあり、気を失ったように深い眠りに落ちていた。

肩を揺さぶられて目を覚ますと、ニックが少し心配そうな様子でベッドの傍らに立っていた。
「・・・ああ、すっかり寝込んでしまったな・・・。」
「大丈夫か?」
「えーと・・・今何時だ?」
「今か?朝の9時過ぎだ。昨日も見に来たんだが、声をかけても反応がなかった。」
「昨日?俺はほぼ一日中寝ていたってことか・・・」

プレストンと会う場所を設定したとニックが教えてくれる。
俺の表情を見て、ニックが再び深いため息をついた。

「George、顔でも洗ってシャキッとしろ。それから服を着替えていけ。その服装では怪しまれる。」
「怪しまれる?」
「お前はミニッツメンに入隊を希望している居住者ということになっている。」
そう言ってニックがにやりと笑った。

シャワーを浴び、気分を入れ替える。
服装も装備をがっちり固めたものではなくて、普通の居住者が着ているような物を、と選んでみる。

俺の服装を見て、ニックが唸った。
「George・・・極端すぎないか。」
「まだ顔は隠しておきたいんだ。他の仲間たちにも会ってないしね。」



ニックに指定されたタフィントン・ボートハウスへと向かう。
確かにここはサンクチュアリからは離れているし、居住者も多くはないから新入りが来たいという話があったらプレストンは喜ぶだろう。

建物の中に入るが、まだプレストンは来ていないようだ。
少しほっとしていると、後ろから足音と共に声をかけられた。

「おお、君か?ニックからミニッツメンへの入隊希望者がいると聞いている。」

「私はプレストン・ガービーだ。ミニッツメンへの入隊を心から歓迎するよ。」

懐かしさのあまり声が出ず、背を向けて立ち尽くす俺にプレストンが優しく声をかけてきた。
振り向くことができず、頷くだけだ。

ソファに座ると、プレストンは俺にアレコレ質問を投げかけてくる。

名前は?
今まではどこで暮らしていたんだね?
銃を扱うことはできるかい?見回りの仕事もあるからな。

ようやく振り返りプレストンと対峙するが、言葉が詰まり応えることができない。
だんまりを決め込んだ俺を、さすがに不審に思い始めたのか、ぴたりと質問が止んだ。

「君は、一体・・・?」

顔を覆っていたバンダナとゴーグルを外す。

「・・・すまん。」
「!!??」

ソファから立ち上がると、絶句したまま再び座り込んだ。
「どういうことだ?ニックは・・・知っていて・・・?」
「プレストン。俺が頼んだんだ。自分でお前に会いに行く勇気がなくてな。」

プレストンが両手で顔を覆った。
生きていてくれて、本当に良かったと絞り出すような声。
ヌカワールドでの出来事を告白する勇気が萎えてしまわないうちに、話さなければ。

「プレストン、聞いて欲しいことがある。」



プレストンは黙ったまま、一言も口を挟まずに俺の話を聞いてくれた。
ボスと呼んでくれていた配下のレイダー達を皆殺しにしてヌカワールドを後したことまで話終える。

「裏切って殺して、俺は・・・何をしてたんだろうな。」
「・・・。」
「軽蔑されるだけのことはした。ミニッツメンの将軍は降りる。使い走りとして雇ってくれないか?」
「・・・最後の最後に連邦のことを思い出してくれたんだろう?」

ふとプレストンが微笑んだ。
それだけで、それだけで十分だよ。

ミニッツメンの将軍を降ろしてくれと何度頼んでもプレストンは首を縦には振らなかった。
こんな人間がトップに立つ訳にはいかないと言っても。

「・・・そうだ。なら、俺に少し付き合ってくれないか。」
「付き合う?構わないが・・・。」
「長旅になるぞ、将軍。」

そう言うとプレストンはにっこりと笑った。


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