
国立公園案内所からエコーレイク製材所へ。
時々ラッドストームにも見舞われ、ガイガーカウンターのガリガリ音が止まらない。
「George、Rad-X飲んでおけ。」
「輝きの海を思い出すな。」
エコーレイク製材所
霧で見通しが非常に悪い。
ニックと視線を交わし、慎重に進んで行く。
建物の中にも外にもフェラルグールがいる。
見落としがないように片付けないとな。
ドッグミートが最後の1体を倒し終えたのを見届け、ファーハーバーに戻るかと来た道の方へ振り返ると・・・一人の男がこちらをじっと見つめているのに気が付いた。
誰だ?
「あいつらを・・・あのよろよろ野郎どもを倒したのか。」
「・・・アンタ、誰だ。」
「俺か?名は・・・マルコム。この土地の持ち主だ。」
土地の持ち主だと?
ニックと顔を見合わせる。ニックも信じ難いといった表情をしている。
「あいつらを倒してくれたことに免じて見逃してやる。こちらが狩りと殺しを始める前に出て行け。」
ファーハーバーの代表としてやってきたことを告げるとマルコムは激昂した。
ここは俺の土地だ!!と叫び銃を構えようとしたが、ふと動きを止めた。
もっといいことがある、そう呟いた。
喉の奥でくぐもった音を立てた。
笑っているようだ。
「ファーハーバーのやつらをここに寄越せ。一人残らずだ。」
「霧の中では腹が減ってなぁ。俺にとっちゃ、やつらは肉でしかない。勿論お前も同様に、だ。」
マルコムは上機嫌で話を続ける。
「狩りをして、肉を切る。残り物は霧の中に放り込んでやりゃ、マイアラークやフェラルグールどもが片付けるさ。」
思わず舌打ちした俺をニックがちらりと見た。
「お断りだ。」
その言葉と同時にマルコムの頭を吹き飛ばす。
「前に。」
「どうした、George?」
「逃げ出した人造人間を探したの覚えているか?」
「ああ、アカディアでの頼まれごとか。それがどうした。」
足元にあるマルコムの死体を眺めながら、あの時の光景を思い出す。
「ここの霧に侵されると、見境なくなっちまうんだな。」
「・・・。」
エコーレイク製材所も片付けた。
あとは・・・マリナーに頼まれたマイアラークの殻を3つ集めてくれば頼まれごとは終わりだな。