Fallout4 A Magical Kingdom(2)

Fallout4 A Magical Kingdom(2)

久しぶりに硬い床で寝たせいか、腰や肩がぎしぎしと痛む。
昔は、戦争に行っていた頃は・・・ほとんどをもっと酷い環境で過ごしたものなんだがな。

いてて、と呟きながら身を起こすとドッグミートが朝の挨拶代わりに顔をぺろりと舐めた。
ゲイジの方に視線を向けると、こちらに背を向けて何かごそごそとやっている。
覗き込むと、どうやら武器の手入れをしていたようだ。

「自分でやるのか。」
そう声をかけると、ゲイジは小さく頷いた。
その辺の武器を奪い取って使い捨てるレイダーも多いのに。

「・・・自分に使いやすいようにカスタマイズしてある。メンテナンスも俺がやる。」
「へぇ、ガービーと気が合いそ・・・」
「ガービー?」
おっと、いけない。余計なことを言うところだった。

レイダーと気が合いそうだと言われたら、ガービーは怒るだろうな。
そう思うと思わず笑みがこぼれてしまった。

「楽しそうだな、ボス。」
「・・・外に出て、とっとと片付けよう。」

さて、お次はトンネルを探すのか。

のそりと姿を現すフェラルグールを倒しながら、それらしい場所がないか探して歩く。
あちこち匂いを嗅ぎながら走り回るドッグミートが何かを見つけたらしく、遠くでワンワン!!と吠える声が聴こえてきた。

園内を猛スピードで移動しているコースターを避けながらドッグミートを探すと、地下へと続く入り口の前でワンワン!と吠えているのが見える。
「よしよし、よく見つけたな。」
頭を思い切り撫でてやると、嬉しそうにその場で飛び跳ねた。
ゲイジはというと、バカバカしいといった表情でドッグミートを見つめている。



地下へと降りると、誰かがぼそぼそと話をしている声が聴こえてきた。
ゲイジと顔を見合わせ、武器を構えたまま声がする方へと近づいて行く。

この声は、事あるごとに俺たちを煽り立ててきた、あのだみ声か。
フェラルグールの唸り声を理解して、会話をしているな・・・。
あいつは一体何者だ?

考え込む俺に、ゲイジが奴らを撃ち殺すかと聞いてきた。
「・・・いや、ちょっと待ってくれ。あいつと直接話ができないだろうか。」
「はぁ?」

だみ声はフェラルグールに向かって、治す方法がどうのと話をしていた。
治せると、そう信じているのだろうか。
不満そうなゲイジを押し戻し、トンネルを後にした。

「Theater」と描かれた大きな城の中へと進んで行く。

「なぁ、ボス。本当にあいつと話するつもりか?」
「そのつもりだが、何か言いたいことでもあるのか。」
「グールの仲間なんて、話したって意味ねぇだろう?さっさと殺して旗立てちまおうぜ。」

ゲイジの問いかけには答えず、劇場の中を進む。

座席の間から、むくりと体を起こすフェラルグールを片付けていると、急にドラムロールが流れ、二階の席にスポットライトが当たった。
シルクハットを被り魔術師のような出で立ちのグールが、俺たちを見降ろしている。
「ここまで追いかけてくるとは思っていなかった。」
偉大なるオズワルドと紹介されたグールは、そう呟いた。

いつの間にか二階から姿を消したオズワルドが攻撃を仕掛けてきた。
話し合いをする暇はなさそうだ。

ドッグミートとゲイジが応戦している。

追い詰めた!と思った瞬間、オズワルドは姿を消した。
ゲイジが罵り声を上げる。

「愚かにも、攻撃を思いとどまるつもりはないようだな。」
「んだと!てめぇが攻撃してきたんじゃねぇか。」
「落ち着けゲイジ。」

辺りを見渡すがオズワルドの姿は見えない。どこへ行った?

城の屋根で決着をつけようというオズワルドの声が響いてきた。




屋上へと上がると、オズワルドが姿を現した。
ゲイジがすかさず撃とうするのを制して話を切り出す。

「お前は・・・フェラルグールたちと意思疎通が図れているな。何故だ?」
「私は、爆弾が落ちるまでここで出演者として働いていた。放射能で皆変わってしまったが、彼らは家族だ。」
「爆弾?」
「200年ほど前に落とされた核のことだ。」

まさか、こんなところで自分と同じように戦前を知る人物に出会えるとは思ってもいなかった。
そうか、オズワルドはあの爆弾のせいでグールとなり、他のメンバーはフェラルになってしまったのか。

「お前たちレイダーは勝手に家に上がり込み、そして問答無用で友人を殺す。彼らはただ病気なだけだ。」
「彼らが・・・フェラルグールであると認識はしているんだな。」
「脳が侵される病気だ!治療法を探すつもりだ。」
「あれは病気じゃない。放射能で精神をやられて・・・野生化している。そういうグールは手遅れだ。」
「何とでも言えばいい!彼女が、レイチェルが治療法を探しているんだ!」

認めたくない気持ちはわかる。
思わずため息が出た。

いつ頃から、レイチェルとやらは治療法を探しに出ているのだろうか。
オズワルドは治療法が見つかるはずと言うが、そう思わないと200年も待ち続けるなんて芸当はできないだろう。

「ここで待ち続けていても意味はない。彼女を手伝う必要があるんじゃないか。」
そう言うと、オズワルドは一瞬口ごもった。
待っているだけではダメだということを、薄々と感じてはいたのだろう。

「お前の・・・言う通りかもしれない。」
少しだけ疲れを滲ませてオズワルドが呟く。
「ここはお前に任せて、残った友人を集めて出て行こう。」

ゲイジが後ろで、とっとと出て行けと毒づく。

これをお前に託そうと、オズワルドはシルクハットと剣を俺に手渡し、現れた時と同じように白い煙と共に姿を消した。




グールが治るわきゃないだろうとブツブツ文句を言うゲイジを余所に、最後の一仕事をしてしまうことにする。

さて、旗を立てるとしよう。
三か所目だから、パックスの旗を立てるか。

パックスの旗を立てる俺を、ゲイジが黙って見つめていた。


クエスト:A Magical Kingdom 完了

これで3つの勢力それぞれに1つずつ場所を与えたことになる。
あと征服する場所は2か所。
どうするか考えないとな。

「残りはあと2か所か。」
「後はヌカコーラの工場とサファリアドベンチャーだな、ボス。」


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