Vouloir c’est pouvoir

ソルスセイムからウィンドヘルムへ戻ってきたErde。
セロが、以前ウィンドヘルムの灰色地区に住んでたことがあると呟いた。

「それで?何をしにホワイトランへ行くのだ?」
「ヘルゲンでの出来事を・・・首長に伝えて欲しいって言われてたの。」
「ヘルゲン?小さな山村だったな」

セロにぽつりぽつりと帝国とストームクロークの諍いに巻き込まれて死刑になりそうになったことや、ドラゴンの急襲、ヘルゲンからの脱出の話を聞かせる。

黙って耳を傾けるセロ。
よくよく考えると、ドラゴンに襲われただなんて信じてもらえないかもしれない。
そう思うと少し悲しくなった。

「噂で耳にしたことはあったが・・・ドラゴンねぇ」
疑っている風もなく、どうやら受け入れてくれたようだ。
「セロさん・・・信じてくれるの?」
「自分の目で見ていないからな、完全に信じるとは言い難いが・・・」
そこでセロが言葉を切った。
兜、外してくれないかな。表情が見えなくて何を考えているのかわからず不安になる。

「そんな嘘をつくような人間にも見えないしな。」
「あ、ありがとう。」



ホワイトランへたどり着き、ドラゴンズリーチでバルグルーフ首長と話をした後は慌ただしかった。
ドラゴンストーンを入手するためにブリーク・フォール墓地へ行き、戻ってきたらドラゴンとの闘いが待ち受けていた。

衛兵たちと協力してドラゴンを倒すと、礼にとバルグルーフ首長はErdeをホワイトランの従士に任命した。
従士になったことにより、リディアという私兵が付くこととなった。
「従士様。リディアと申します。何なりとお申し付けください。」
「私兵?」
「貴方を守ると誓います。」
「Erde、なんか重たいもん背負っちまったな。」
じろりとリディアがセロを睨む。

従士になったことにより、ホワイトランに一軒家(ブリーズホーム)を持つことができた。
なんだかんだと金稼ぎをして、家の中を整えていく。

「・・・ねぇ、セロさん。」
「?どうした、改まって。」

二、三度言い淀んだ後、Erdeは意を決した。
「兜・・・外してくれないかな。」

「これで満足か?」

Erdeが動揺した。
「従士様?」
「!!!ずるい!セロさん、ずるい!!」
「はぁ!?ずるい?なんだそれは」

ぷいと背を向けたErdeの耳が赤くなっていることにリディアは気が付いた。
セロはというと、Erdeの剣幕にぶつぶつ文句を言っている。
おやおや、これは・・・?



ブリーズホームで食事をし、人心地つく3人。
ベッドが足りないため、Erdeとリディアは2Fでセロは1Fで寝ることにした。

一緒に寝るといって聞かないので、渋々ながらリディアはベッドの端に身を横たえた。
キャラバンとしてSkyrimにやってきたことや、ヘルゲンでの脱出劇などをErdeは話す。
「・・・で、セロのふざけた兜の中身が、あんなんだとは思っていなかったという訳ですね。」
図星を指されたErdeは思わず顔を手で覆う。だって、ずるいじゃない。戦いも強くて、中身があれなんて。

あの男が従士様に不足がないか私が見定めましょう、と謎の責任感を胸にリディアは眠りに落ちて行った。